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愚直SEのための「嫌われる勇気」

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愚直に成果を出すことしか知らなかったシステムエンジニアが、デスマーチなプロジェクトで心を病みそうになったが、「嫌われる勇気」を読んで逆に強くなったお話です。
モノ作りが好きだが「コミュニケーションが苦手」「会議での発言が苦手」という私が、デスマーチを機に、心の悩みを解消し、強い意志と意見をもって皆と仕事をできるようになりました。
今年、ITコンサルの会社に転職します。

これまでの自分

粘り強く仕事を完遂することができたが、こだわりが強く、周りの目を気にしたり、自己否定が強かった。

  • モノ作りが好きで、より良いものを作るために、粘り強く諦めずに頑張ってきた。品質を良くしたい、という思いの他に「間違えたくない」「迷惑をかけたくない」等のネガティブな動機から、時間を度外視して過剰に品質向上を行う傾向があった。
  • 様々な案件で設計や実装の経験を積み、社内やお客様からの評価も高かったが、誰にどんな評価をされても、「自信」は持てなかった。常に漠然とした「恐れ」があり、時間があればあるだけ準備をした。どこまでやったら「安心」なのか分からなかった。どうやったら自信を持てるのかずっと疑問であった。
  • 問題が発生すると客観的な分析もせずに「自分が悪い」と思いやすかった。
  • なぜかは分からないが、中高生辺りの時期から「他の人と違うこと」がともて怖かった。常に周りの目を気にしながら生きてきた。

デスマーチでの自分や周りの変化

いくつものチームで構成される大規模プロジェクトの中で、チームリーダとして配属された。
顧客マネージャに毎日叱責され続けた結果、仕事をする自信も気力もなくなり、恐怖と自己否定の毎日になった。

  • お客様のマネージャは、PMP等の資格をいくつも持ち、理想が高く、ロジカルの考えをする優秀な人である。が、言葉の端々に「自分は優れている、お前らはダメだ。」、「自分は客だ、自分が満足するもの持ってこい」、「自分は悪くない、お前らが悪い」を感じさせる。自分的な表現をすると「責任を持とうとしないマウンティングマネージャ」に思えた。
  • 何度レビューしても通らない。既に大きく遅延しており、どう改善すれば良いか分からない状況になっているのだが「レベルが低い、自分で考えてもってこい」の繰り返し。最後には「仕方ないから教えてやるよ」的な終わり方になり、やっと終わったと思う反面、無力感がより一層強くなる。
  • 私をサポートをしようとする上司やメンバが皆の前で叱責される…私のために他者が叱責されるのは精神的に堪える。本日提出を約束した資料が出てないので上司に電話して説明させろ、等のように上司や社長に強制的に電話される時もあった。
  • 他のメンバもうまく進められず、みんなストレスフルな状態。「しっかりしてください。」「自分で解決してください。」等のように、誰かを助ける、ではなく、自分が被害に合わないような保身の職場に変わってしまった。もう助けてくれる人はほとんどいない、そして自分も誰かを助けようとは思えなくなってしまった。
  • 「自分は悪くない」と保身を図る人にとって、「自分が悪い」と思いやすい自分は、恰好の獲物になりやすかった。特定メンバから徹底的に攻撃された、「いつになったら直るんですか?」「この後どう改善するんですか?」「それで改善できると思ってるんですか?」「黙ってないで何とか言ってください。」という不毛なやりとりを数時間繰り返し、さらに作業が遅延する。
  • 元々少なかった自信を完全に失い、無力感と恐怖しか残っていなかった。自分の説明が全て間違っている、指摘されてしまう、という恐怖でもう説明ができない。「そんな説明では心配になるから自信をもって話してくれ」と言われる場面もあったが、恐怖心と無力感が強すぎて泣きながら説明することもあった。
  • いつ終わるか分からない作業を毎日叱責されながら続けていると精神状態がおかしくなる。何をやってもうまく行くイメージも自信もなく、何をやるのも恐怖になってしまい、いつもビクビクしていた。
  • 今日も成果を出せないだろう、また叱責されだろう、もう怒られたくない、やめたいけどもっと迷惑がかかる、でも現場に行きたくない…このまま電車に揺られながら別の場所に行きたい、事故にでもあったらどんなに楽なのか…自分の存在意義のなさを思うと、涙が出てくる…

プロジェクト遅延がお客様社内で大きな問題になり、お客様側で新マネージャがアサインされた。
新マネージャが各チームに対して、現状ヒアリングをして回る。プロジェクトの状況や円滑に進められない理由、マネージャとの関係性等を話し、状況や心情を理解してくれた。ちょっとほっとした。
新マネージャは「自分が責任をもって全部決める、体裁は気にせず手書きで構わないから持ってきてくれ。」と言われた。間違いについては、厳しく指摘されたが、この後どうするべきかを明確に示してくれ、スムーズにプロジェクトが進行した。
プロジェクトが節目を迎え、自分はプロジェクトから外れた。このプロジェクトを機に、多くの優秀な社員が辞めた。

「嫌われる勇気」を読んでからの自分の変化

余裕のあるプロジェクトにアサインされ、モノ作りに没頭し、心の余裕ができるようになった。
自己啓発の一環で、「嫌われる勇気」を読んでみた。この際、仕事とプライベート、個人と組織等、それぞれの観点で「どうあるべきか?」を考えてみた。

  • 小さい頃からとらわれてたのは「承認欲求」であることを理解できた。
    世の中の問題にはそれぞれ名前が付けられおり、それらに対する情報はあふれている。自分の心の中の問題は自分では気づきずらく対処が難しいが、名前が付くことで問題を識別できるようになり、様々な情報を集めることができる。自分が戦うべき相手を識別できるようになり、幼い頃からの悩みの根底が分かった気がして気持ちが楽になった。
  • 自分の能力には限界がある。頑張ってダメなら諦めよう。
    上司やお客様等の他者からの期待や要求に対して、もちろん努力するべきだが、頑張ってもできないものはできないので諦める必要がある。それで困るなら、より「できる人」に交代するか、その仕事を諦めた方が建設的だと思う。ここで無理に期待や要求に応えようとすると、満たせないギャップで自己否定に陥るのだと思う。そもそも「全ての人の期待や要求に応えられる」なんて、おこがましい。
  • 間違った選択をして指摘/叱責されたとしても、その指摘が正しく思えるなら、それを受け入れよう。
    こう考えると「自信」なんていうことは考える必要がなく、大統領だろうが社長だろうが、ただ自分の最善努力で向かい合い、ダメだったら諦めよう、と思えます。このような状態を他者から見ると「自信があるように見える」のだと思います。
  • 頑張りにも限界がある、人生は仕事だけではない。
    頑張ろうと思えば、昼食や夜食を抜く、睡眠時間を削る、会社に泊まる等、いくらでも時間を捻出できる。だがしかし、人生は仕事だけでない。趣味や、家族/恋人/友人と楽しく過ごす時間も大事だと思うし、仕事以外のものを犠牲にしすぎる人生は幸せになれないと思う。頑張りすぎて、体を壊したら仕事や生活もままならず、大変な人生になるかもしれない。体や精神に無理のない範囲で頑張る必要があり、昼食や睡眠時間はちゃんと取るべきだと思う。
  • 仕事は一人でなく組織でやるもの。
    自分が無理しないとみなに迷惑がかかる、というのはおかしいと思う。仕事の問題を一個人の責任を負わせるのは間違っている。何のためも組織か?何のための上司やリーダか?社員を保護できないような組織ま間違っているし、未来はない。そんな会社のために、責任を負う必要はないと思う。個人的には「いつ辞めてもいい。」と心に思うと強くなれる。
  • 一度落ちたら、他者の助けが必要である。
    上記のような自己否定の状況に入ると、自分ではそこから抜けられない。そんなのちょっと考えればわかるじゃん、という人もいる。そういう人は自身で改善できるのかもしれないが、できないからそういう状況になっているのであり、当事者の背景や性格・気持ちを分かっていない。そのような場合は、周りが介入して本人を守れないと思うし、守りたいと思う。
  • どうあるべきか?を常に考えるべき。
    仕事の進め方、成果物、部下と上司、個人と組織、仕事とプライベート、等の様々な場面で「どうあるべきか?」を考えることをお薦めします。この呪文を唱えると、新しい目標ができ、それに向けて努力が行え、成長できるためです。これを続けていくと、持論や問題意識が形成され、他者と議論ができるようになります。
    ただ、言われたことや決まったことをやって終わるような仕事をしていると何も成長しません。



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